インターネットの検索窓に店舗名を入力した際、サジェストキーワードに「噂の真相」「怪しい」といった単語が表示され、訪問を躊躇した経験を持つ方は少なくありません。メディア編集部がこの疑惑の出所を徹底的にトレースした結果、二重の認知バイアスとデジタル空間特有の誤認が背景にあることが判明しました。
最大の要因は、ある外資系ネットワークビジネス直販企業が展開する高級多層構造鍋「クイーン・クック(Queen Cookware)」との名称バッティングです。ネット上では「あのマルチ商法の会員が集う拠点ではないか」「特定の勧誘が行われているのではないか」といった根拠のない憶測が一部のQ&Aサイト等で繰り返し書き込まれていました。しかし、登記情報や開設経緯を照らし合わせても、同店は展望台エリアの地域活性化を志した福岡県飯塚市の地元オーナーが手掛けた独立系カフェであり、件の調理器具販売団体とは資本関係・提携関係を含め一切関係がありません。
もう一つの背景には、昭和から平成にかけて「八木山峠」という土地がまとっていた都市伝説的な記憶があります。かつて難所とされたカーブの多い峠道特有の怪談や、走り屋が集まるスポットとしての旧来のイメージが、現代の若者や感度の高いクリエイターによって「スタイリッシュな絶景リノベ空間」へと生まれ変わったことに対し、一部の年配層や旧来のネット掲示板利用者が「いわくつきの場所にあるらしい」と誇大に噂を広げてしまった側面が指摘されます。