スタート地点の選定には、番組制作陣による緻密なロジスティクスが隠されています。歴代のスタート場所を追跡すると、ある明確な共通項が浮き彫りになります。それは「都心から50〜100km圏内」「夜間の完全封鎖が可能な広大な私有地」「大型中継車や医療班を多数収容できるスペース」の3点です。
1990年代から2000年代にかけては、奥多摩方面のキャンプ場や山梨県大月市近郊、あるいは神奈川県内の大規模な物流倉庫や浄水場跡地などが頻繁に利用されました。かつての日本武道館歴代ルートでは、国道20号(甲州街道)や国道246号(青山通り)を主軸とする西からのアプローチが主流でしたが、本会場が2019年以降に両国国技館へとシフトしてからは、両国国技館ゴールルートに合わせた東・南方面からの進入路が開拓されるようになりました。
このように歴代ランナーの走行距離まとめを俯瞰すると、かつての「100km超の過酷さ至上主義」から、走者の年齢、コンディション、熱中症リスクを多角的に加味した「持続可能かつ安全な距離設定」へとパラダイムシフトしている実態が読み取れます。