ネット上の情報では「レンジで数十秒温めた後、トースターで焼くのが時短で最強」という裏ワザが広く推奨されています。しかし、この二段階アプローチには決定的な落とし穴があります。
レンジ加熱の段階で中心温度が75℃を超えてしまうと、筋繊維の不可逆的な収縮が完了し、内部の細胞膜が破壊されて肉汁が外に漏れ出します。その状態からトースターに移しても、乾いたスポンジを焼くような状態になり、かえってパサパサ感が増幅してしまうのです。もし時短のためにレンジを併用する場合は、「500Wでわずか15〜20秒、人肌程度(約35〜40℃)にぬるく温めるだけ」に留め、本加熱はすべてトースターやフライパンに任せるのがプロの鉄則です。
また、「みりんを塗ると照りが出て美味しくなる」という俗説もありますが、みりんは糖度が高いため極めて焦げやすく、塩焼きの魚に塗ると魚本来の塩味がぼやけてしまいます。照り焼き以外の塩焼き・素焼きには、余計な甘みを加えない純米酒または清酒を使用するのが鉄則です。