サンリオのキャラクター史を振り返る上で、タキシードサムの歩みは極めて劇的なドラマに満ちています。1986年に開催された第1回「サンリオキャラクター大賞」で4位に輝くなど、デビュー直後からトップスターとして君臨したサムですが、平成後期にはハローキティやシナモロール、ポムポムプリンといった後続のメガヒットキャラクターの台頭により、一時はランキング圏外近くまで後退する苦難の時代を経験しました。
この停滞を打ち破る転換点となったのが、2020年1月に発表された男のコ6人組ユニット「はぴだんぶい」の結成です。「ポチャッコ」「タキシードサム」「けろけろけろっぴ」「バッドばつ丸」「ハンギョドン」「あひるのペックル」という、昭和から平成初期を支えた実力派が集結。「ハッピーになりたい男子たち、V字回復をねらう」という泥臭くも共感を呼ぶテーマを掲げたプロジェクトは、SNSネイティブ世代の間で爆発的なバズを巻き起こしました。
公式発表資料およびキャラクター大賞の総得票数の推移を検証すると、はぴだんぶい結成以降、サムの獲得票数は右肩上がりに伸長。かつてファンだった親世代のノスタルジー需要と、レトロカルチャーを新鮮に捉えるZ世代の熱狂が合流し、一過性のブームではない強固な支持基盤を構築したことが裏付けられています。