なぜここまでガンダム・バエルは「ネタ機体」としてネット上で愛され、そして揶揄されてしまったのでしょうか。その元凶は、劇中でマクギリスが放った有名なセリフと、それに伴う過度な期待の裏切りにあります。
バエルのもとに集えネタの真相は、ギャラルホルンの政治構造とマクギリスの誇大妄想の乖離に端を発します。アグニカ・カイエルの神話を信奉するマクギリスは、「バエルを手に入れた者がギャラルホルンの真の指導者となる」という300年前の創設理念が、現代のセブンスターズ(名門七家)にも無条件で通用すると信じ込んでいました。
地下祭壇からバエルを起動させ、通信回線を開いて「アグニカ・カイエルの魂のもと、バエルのもとに集え!」と高らかに宣言したものの、実際に集まったのは彼に個人的に忠誠を誓う一部の青年将校のみ。ラスタル率いる主流派からは「ただの古い骨董品を持ち出しただけ」と冷笑され、中立派のセブンスターズ当主たちからも冷淡に無視されるという、痛烈なピエロ劇が展開されたのです。
ガンダムバエルに対するネットの反応を検証すると、当時のリアルタイム実況から近年の考察スレッドに至るまで、以下のような辛辣かつ的確な声が散見されます。
- 「バエルの性能自体はめちゃくちゃ高いのに、パイロットの就活アピールが下手すぎて大爆死した印象」
- 「『バエルのもとに集え!』→『誰も来ませんでした』の流れがアニメ史に残る恥ずかしさ」
- 「300年放置されてた骨董品をワンオフで完璧に動かせるマクギリスの操縦技術は本物だが、政治の知能指数が急激にデバフされた」
一方で、ゲームコミュニティにおける評価はアニメ本編とは180度異なります。アーケード対戦ゲーム『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス(EXVS)』シリーズや『SDガンダム Gジェネレーション』におけるエクバ・Gジェネでのバエル性能評価は、最高峰のスピードと凶悪な判定を持つ格闘寄り機体として長く君臨しました。
特にエクバシリーズでは、特殊射撃による急接近やピョン格(ジャンプ格闘)による変則的な軌道、高威力の連続斬撃が多くのプレイヤーを苦しめ、「ゲームで対面したときのバエルはマジで悪魔」「アニメと違って冗談抜きで集まりたくない」と恐れられるほどの強機体として名を馳せています。このメディアミックス間でのギャップこそが、バエルの評価をより多面的で話題性のあるものに昇華させています。