青いアマガエルの正体とは?突然変異の理由と数万分の1の奇跡

青いアマガエルの正体とは?突然変異の理由と数万分の1の奇跡

青いアマガエルの正体とは?突然変異の理由と数万分の1の奇跡とはどんな影響があるのか? 詳しい意味を丁寧に紐解いて紹介します。

水田や低木林で普通に見かけるニホンアマガエルの生態を振り返ると、彼らは環境に応じて体の明暗や色合いを素早く変える高い擬態能力を持っています。通常、アマガエルの鮮やかな黄緑色は、単一の緑色色素によって発色しているわけではありません。皮膚の中に重層的に存在する「3種類の色素胞」の物理的・光学的相互作用によって成り立っています。

具体的には、皮膚の深層から順に「黒色素胞(メラノフォア)」、光を散乱させて青い光を跳ね返す「虹胞・白色素胞(イリドフォア)」、そして最表層に位置する「黄色素胞(キサントフォア)」が重なり合っています。深層の虹胞が散乱させた青色の光が、最表層の黄色いフィルターを透過することで、人間の目には混色として「鮮やかな黄緑色」に見える仕組みです。理科の実験で青いセロハンと黄色いセロハンを重ねると緑色に見える現象とまったく同じ原理が働いています。

ところが、遺伝子の突然変異や発生初期のエラーによって、最表層にある黄色素胞欠損(または黄色色素の生成異常)が起きると、黄色フィルターが完全に消失します。その結果、虹胞が反射した青い波長の光だけがそのまま皮膚の外へ射出され、目にも鮮烈な青色変異個体となって誕生します。生物学的には白化個体(アルビノ)と並ぶ劣性遺伝的変異の一種であり、病気や外傷ではなく、光学的フィルターの欠落という精緻な自然現象の結果にほかなりません。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。