勝負の世界に絶対はない。どれほど強者であっても、黒星を喫する日は訪れる。しかし、彼の真骨頂は「敗戦の翌日」にこそ現れる。黒星を引きずることなく、一晩で完璧に気持ちをリセットして次の立ち合いに臨む能力。この強靭なメンタルコントロールこそが、彼が大関として安定した成績を残し続けられる秘訣だ。
過度なガッツポーズや感情の露呈は一切見せない。勝っても負けても、静かに礼を尽くして土俵を降りる。古風とも言えるそのストイックな姿勢は、大相撲が大切にしてきた美学を令和の現代に体現しているかのようだ。静かなる闘志。それこそが相手にとって最も恐怖を感じる部分である。