ベジータのユーモアにおける最大の強みは、本人がどこまでも真剣であるという点だ。お笑いの黄金律である「緊張と緩和」を、彼はその生き様全てを使って体現している。エリートサイヤ人としての誇りを胸に抱き、常に険しい表情で腕を組んでいる男が、ふとした日常のトラブルや家庭の事情に振り回される姿。これこそが視聴者のツボを痛烈に刺激する。
破壊神ビルスへの機嫌取りで見せたあの全力の忖度パフォーマンスを覚えているだろうか。プライドをかなぐり捨てて必死に場を盛り上げようとする姿は、悲哀を通り越して爆笑を呼んだ。超一流の戦士が魅せる泥臭いまでの気遣いは、現代社会で戦う大人たちの共感と笑いを同時に誘う強烈なフックとなっているのだ。