長寿番組が終了を迎える際、表向きには「一定の役割を終えたため」と発表されるのが通例です。しかし、民放キー局関係者や広告代理店の報告を総合すると、『とんねるずのみなさんのおかげでした』の終了理由には、単なるマンネリ打破にとどまらないシビアな経営判断が存在していました。
最大の要因とされているのが、1本あたり4,000万〜5,000万円規模と報じられた莫大な制作費です。全盛期には6,000万円を超えたとも言われる予算規模は、海外ロケや大型セット、豪華ゲストのキャスティングを可能にしていた一方、民放テレビ各局が広告収入の減少に直面する中で局内最大の財務負担となっていました。とんねるず2人の出演ギャラもコンビで1本あたり800万円前後と推定されており、費用対効果の検証が厳格化する中で見直しの対象となった経緯があります。
さらに、フジテレビ全体の経営戦略の転換が追い討ちをかけました。従来の「世帯視聴率」重視から、広告主が求める13〜49歳の「コア層視聴率」へのシフトが進む中、長年固定化していたシニア・ミドル層を中心とする視聴者構造は、局が掲げる若返り方針と合致しにくくなっていったのです。加えて、BPO(放送倫理・番組向上機構)によるバラエティ番組への監視強化や、過度なイジリ・体を張った演出に対する世間の視線の変化が、番組のアイデンティティであった過激なノリを徐々に制約していきました。