熊野本宮大社が「人生が変わる」と語り継がれる最大の理由は、主祭神である家津美御子大神(けつみみこのおおかみ=素戔嗚尊)の神格にあります。神仏習合の歴史において阿弥陀如来の垂迹とされたこの神は、現世の罪や穢れをすべて清算し、来世の救済と「魂の再生」をもたらす存在として信仰されてきました。
歴史学者の調査資料や神社の公式伝承によると、中世の「蟻の熊野詣」と称された参拝熱狂期、熊野は身分や男女、浄不浄の区別を一切設けず、あらゆる人間を無条件に受け入れる国内唯一の特異な聖地でした。過酷な熊野古道を歩き通し、心身の限界を超えた果てに本宮の神前に立つ構造そのものが、心理学でいう「イニシエーション(通過儀礼)」として機能していたのです。
2026年現在の参拝時間データとして、神門内の参拝時間は午前6時から午後5時まで(授与所は午前8時30分から午後4時45分まで)となっており、朝一番の凛とした静寂の中で参拝する体験は、現代人の乱れた自律神経と意思決定力を根底から整える効果をもたらします。