物語の冒頭で空から降ってきた不思議な赤ちゃん「はぐたん」。彼女を育てる疑似家族体験を通して、はなはキュアエールとして急激な精神的成熟を遂げていきました。物語終盤で明かされたはぐたんの真の正体は、ジョージによって時間を止められた未来の世界で戦っていた最後の希望、キュアトゥモローその人でした。
時空を超えた逃走の過程で力を使い果たし、赤ん坊の姿へと退行して現代のはなのもとへ辿り着いたトゥモロー。そして最終回、2030年に野乃はなから産まれた赤ちゃんの足首には、かつてはぐたんが着けていたものと同じアザが存在し、名前は「野乃はぐみ」と名付けられます。
「母が子を育て、その子が未来で戦い、過去へ飛んで母を育て直す」――。この緻密な母娘の円環構造は、親から子へと受け継がれる無償の愛のメタファーです。単なるタイムパラドックスSFのギミックにとどまらず、過酷な現実社会の中で次世代を産み育てることの尊さを、説教臭さを排して描き抜いたプロットとして今なお高く評価されています。