中学校の理科や地学の試験で多くの学習者が混乱するのが、火成岩と火山岩の違い、そして深成岩と火山岩の分類です。ここをクリアにするには、大元の包含関係を整理する必要があります。
まず、マグマが冷えて固まった岩石全般を「火成岩」と総称します。火成岩は、固まった場所(冷却スピード)によって次の2大グループに分かれます。
- 火山岩:地表近く、または地表にあふれ出た溶岩が急速に冷え固まった岩石。急激に冷えるため、細かい結晶やガラス質の土台(石基)の中に、ポツポツと成長した結晶(斑晶)が含まれる「斑状組織」を持つ。
- 深成岩:マグマが地表に出ることなく、地下数キロ〜数十キロの深部で長い時間をかけてゆっくり冷え固まった岩石。時間をかけて結晶が大きく成長するため、隙間なく整った結晶がモザイク状に敷き詰められた「等粒状組織」を形成する。
さらに火山岩は、岩石の中に含まれる二酸化ケイ素の含有量(SiO2含有率)によって細かく分類されます。この二酸化ケイ素の含有量が、火山の運命を決定づけるパラメータです。
玄武岩・安山岩・流紋岩の違いと、溶岩の温度と粘性の相関関係
地学における重要な法則として、「二酸化ケイ素(SiO2)の含有量が多いほど、溶岩の粘性は高くなり、溶岩の温度は下がる」というものがあります。
- 玄武岩(SiO2が約45〜52%):二酸化ケイ素が少ないタイプ。溶岩の温度は約1,000℃〜1,200℃と超高温ですが、粘性は非常に低くサラサラと水のように流れる性質を持ちます。ハワイのマウナケアやキラウエア、伊豆大島、富士山の噴火などがこの典型で、傾斜の緩やかな盾状火山を作ります。
- 安山岩(SiO2が約52〜66%):玄武岩と流紋岩の中間に位置する岩石で、日本の多くの火山(浅間山や桜島など)を構成する基本岩石です。温度は900〜1,000℃前後で、ある程度の粘り気を持ち、成層火山を形作ります。
- 流紋岩(SiO2が約66%以上):二酸化ケイ素が極めて多いタイプ。温度は約700℃〜900℃とマグマの中では低温ですが、水飴のように極端に粘性が高くドロドロとしています。ガスが抜けにくいため爆発的破砕が起こりやすく、軽石や大量の火山灰を噴き上げる危険な噴火になりがちです。
この溶岩ドームの形成理由も、流紋岩やそれに近いデイサイト質溶岩の粘性の高さに起因します。流れ出ることができないほど粘度が高いため、火口の真上でモコモコと盛り上がり、昭和新山や雲仙普賢岳の平成新山のような巨大な岩のドーム(溶岩円頂丘)を形成するのです。
語呂合わせで完全攻略!溶岩とマグマの覚え方
学習者や社会人が一発で記憶するための実践的な溶岩とマグマの覚え方をお伝えします。
まず用語の位置関係は、「地下にある“間(ま)”はマグマ、外に“揚(よ)”がったら溶岩」という語呂合わせが極めて直感的です。「ま=マグマは地下の間」「よ=溶岩は地上へ揚がる」とイメージしてください。
また、火山岩と深成岩の6大岩石(流紋岩・安山岩・玄武岩/花崗岩・閃緑岩・斑れい岩)を二酸化ケイ素の少ない順並びで覚える中学理科の不滅の公式が、「刈り上げ新幹線(火山岩/火・り・あ・げ=流紋・安山・玄武、深成岩/しん・かん・せんは=深成・花崗・閃緑・斑れい)」です。これを頭に入れておけば、試験やニュースの専門解説も迷いなく理解できます。