日本屈指の音楽一家である桑田祐宜の家族構成は、父・桑田佳祐、母・原由子、そして弟の洋輔氏を含む4人家族です。国民的スターの家庭でありながら、家庭内の空気感は驚くほど地に足の着いたものでした。
桑田佳祐と原由子の教育方針は一貫して「子どもの自立心を尊重し、親の威光を押し付けない」というスタンスでした。家庭内に巨大なレコーディング機材や無数のレコードが存在する恵まれた環境にありながら、両親が祐宜に対して音楽の道を強制したことは一度もありませんでした。むしろ、音楽業界の過酷さと理不尽さを誰よりも知る両親だからこそ、彼がバンド活動を始めた際にも「やるなら自分の力で飯を食えるようになりなさい」と突き放し、資金援助や業界への口利きを一切行いませんでした。
父と息子の関係について、一時期ネット上では「親の七光りを嫌って絶縁状態にあるのではないか」という穿った憶測が流れたこともあります。しかし、それは完全な事実無根です。2010年に桑田佳祐が食道がんの手術・療養を余儀なくされた際、祐宜は母・原由子とともに献身的に父の療養生活を支え、精神的支柱となりました。父もまた、息子が自らの力だけでインディーズシーンを闘い抜こうとする姿を誰よりも誇らしく見守っていました。過剰にベタベタせず、互いの表現領域に踏み込まない――これこそが桑田家が保ち続けてきた敬意に満ちた距離感です。