家庭のお米を侵食する害虫は数種類存在しますが、その被害の大半は「コクゾウムシ」と「ノシメマダラメイガ」の2種類に集約されます。それぞれの生態と行動パターンを知ることは、適切な駆除と予防への第一歩です。
コクゾウムシの生態と駆除を語る上で欠かせないのが、その卓越した産卵能力です。体長約2〜3ミリの細長い黒褐色の甲虫で、ゾウの鼻のように長く伸びた口吻を持っています。この口先でお米の一粒ひと粒に小さな穴を掘り、その中に1個ずつ卵を産み付け、自らの粘液で蓋をして完全に密閉します。米粒の内部で孵化した幼虫は、お米の内側を食べて空洞にしながら成長し、成虫となって外に出てきます。気温が25度以上になると急激に繁殖スピードが加速し、1匹のメスが生涯で200個以上の卵を産み落とすため、放置すればわずか数週間で米びつ全体が虫だらけになります。
一方、もうひとつの脅威であるノシメマダラメイガの侵入経路は、屋内の至る所に張り巡らされています。体長約7〜8ミリの小さな蛾であり、台所を不規則にひらひらと飛んでいる姿がよく目撃されます。成虫はお米そのものだけでなく、小麦粉、パスタ、シリアル、チョコレート、ナッツ類など乾燥食品全般に卵を産み付けます。厄介なのは幼虫(イモムシ状の姿)の段階で、強い咀嚼力でプラスチック包装を食い破る能力を備えています。さらに幼虫は移動しながら白く強靭な糸を吐き出すため、米粒同士が糸で数珠つなぎになったり、容器のフチに蜘蛛の巣のような膜が張られている場合は、ノシメマダラメイガが巣食っている動かぬ証拠です。