「ガムが7年間胃に留まる」という説に、科学的な根拠は一切存在しない。では、なぜこのような都市伝説が世界中でまことしやかに語り継がれてきたのだろうか。
消化器内科専門医によれば、ガムのベースとなるゴム状成分が強力な胃酸によって分解されない事実が、尾ひれをつけて広がったと考えられている。しかし、人間の消化管は単なる酸による溶解だけで食べ物を処理しているわけではない。強力な「蠕動(ぜんどう)運動」によって、未消化の物体であっても順次大腸へと送り出していくからだ。
最新の臨床データに基づく危険度チェックでは、健康な成人が単体のガムを1個誤飲した場合の危険度は「ほぼゼロ」とされる。日本消化器病学会などの知見を見ても、通常の生活環境において胃内に長期間固着し続ける例は極めて稀だ。ただし、乳幼児が複数個をまとめて呑み込んだ場合や、既往症があるケースでは警戒を怠ってはならない。