インターネット上の検索エンジンで「菅田将暉」と入力すると、サジェストワードに「仮面ライダー 黒歴史」といった言葉が並ぶことがあります。朝ドラや大河ドラマ、数々の映画賞を総なめにしてきたトップ俳優が、自身の原点である特撮ヒーロー作品を「なかったこと」にしているのではないかという疑念です。
しかし、公式プロフィールや本人の公の場での発言を精査すると、この噂は完全な事実無根であることが明白になります。所属事務所であるトップコートの公式経歴には、デビュー作として『仮面ライダーW』が誇らしげに明記されており、何一つ隠されていません。
では、なぜこのような風評が生まれたのでしょうか。最大の要因は、ブレイク後に過去の特撮映像が地上波のバラエティ番組等で流れる頻度が一時的に落ち着いたことや、記念映画への客演が容易に実現しなかった点にあります。過密なスケジュールで映画や舞台の主演をこなす中で、毎年のように制作される特撮映画へのスケジュール確保が物理的に困難を極めた背景を、一部のネットユーザーが「特撮への出演を避けている」と歪んで解釈してしまった構造が見て取れます。
実態はその真逆です。菅田将暉は自身がパーソナリティを務めていたラジオ番組『菅田将暉のオールナイトニッポン』をはじめ、折に触れて当時の思い出を生き生きと語ってきました。番組内で『仮面ライダーW』の主題歌やBGMが流れた際には、リスナーと共に大興奮で当時を振り返るなど、自身のアイデンティティの一部として作品を堂々と肯定しています。