山車の豪華さだけに目を奪われてはならない。行列を彩る「伝統芸能・祭礼」の数々こそが、東北の厳しい自然を生き抜いてきた人々の精神性を雄弁に物語る。威勢のいい掛け声とともに頭を激しく振り、観客の頭を噛んで無病息災を祈る「虎舞」や、軽快なリズムで観客を魅了する「笹野内棒踊り」、古雅な「七福神」の舞など、多彩な郷土芸能が列をなす。
中でも中日に長者山新羅神社の馬場で行われる「加賀美流騎馬打毬(きばだきゅう)」は必見だ。宮内庁と山形県、そして八戸の全国3カ所にしか現存しない日本版ポロとも呼ぶべき古式馬術で、白と赤に分かれた騎馬武者たちが毬杖(きゅうじょう)で毬を掬い取り、ゴールを目指して疾走する様は息を呑む緊迫感に満ちている。