正統続編である『STEINS;GATE 0』では、紅莉栖を救えずに心をへし折られた岡部倫太郎が生きる「β世界線の過酷な後日談」が描かれます。ここで物語の中核を成すのが、彼女の脳内データをベースにした人工知能Amadeus(アマデウス)です。
アマデウス紅莉栖は、生前の彼女がヴィクトル・コンドリア大学のアレクシス・レスキネン教授らの研究チームと共にスキャンした「数カ月前の記憶と人格」を忠実に再現したAIシステムでした。
画面越しに対話するアマデウスは、紅莉栖そのものの思考パターン、癖、知性を持っています。岡部にとっては「死んだはずの最愛の女性」と再会できた歓喜であると同時に、実体を持たないプログラムに過ぎないという残酷な現実を突きつけられる拷問でもありました。
しかし、アマデウス紅莉栖は自らが世界線紛争の引き金になっていることを悟ると、岡部に対して「私を消去して」と懇願します。自らの存在を投げ打ってでも岡部の意志を支えようとするその気高さが、絶望の底にいた岡部を再び「狂気のマッドサイエンティスト・鳳凰院凶真」として覚醒させる原動力となりました。