連載中、Google検索エンジンのサジェストやSNSのトレンドにおいて、「芦戸三奈 死亡」という物騒なワードが頻発した時期がありました。なぜこのような噂が一人歩きしてしまったのか、客観的な事実関係を整理します。
噂の引き金となったのは、全面戦争編におけるギガントマキアとの交戦描写です。芦戸が投げ込もうとした睡眠薬が弾かれ、ギガントマキアの巨大な拳が彼女の頭上に迫ったシーンの引き(クリフハンガー)があまりにも絶望的であったため、「芦戸が圧殺されたのではないか」という不安の声がファンの間で一気に拡散しました。
さらに追い討ちをかけたのが、芦戸たちの担任補佐的な立場であり、彼女たちが強く敬愛していた女性プロヒーロー・ミッドナイト(香山綿)の戦死です。全面戦争の直後に発見された遺体の前で、芦戸や切島が涙を流して慟哭する姿が描かれ、「1年A組の生徒からも犠牲者が出たのではないか」という誤情報がネットの掲示板や要約ブログ等で尾ひれをつけて流通しました。
事実として、芦戸三奈は重傷を負いながらも一貫して生存しており、死亡した事実は一度もありません。過酷な戦局が続いた『ヒロアカ』後半戦において、読者側の張り詰めた緊張感とキャラクターへの強い思い入れが生み出した杞憂の産物であったといえます。