公開当時にまだ生まれていなかった若者世代にとっても、本作は決して古びた過去の名作ではない。かつて劇場で胸を躍らせた世代が親となり、次の世代へと受け継がれていく自然な循環が生まれている。普遍的な家族ドラマ、夏休みの青空、淡い初恋の記憶、そして怒涛のクライマックス。これらが織りなす極上のバランスは、どれほどメディア環境が変わろうとも決して色褪せない。
タイムパフォーマンスが重視され、短尺動画が溢れる時代において、約2時間かけて緻密に感情を高め、ラスト数分間にすべての熱量を収束させる映画体験は、若い世代にとっても格別なカタルシスを提供する。入道雲が広がる夏の風景美とともに、この作品は日本の夏に欠かせない風物詩として、完全に生活文化へ溶け込んでいる。