「不法滞在者を通報すると小遣い稼ぎができる」という言説は、完全なデマではなく法律上の根拠が存在します。根拠となっているのは、出入国管理及び難民認定法(入管法)第66条に記された「報償金」の規定です。
条文には「第24条各号の一に該当する者(※不法残留や密入国者など退去強制の対象となる外国人)に関する情報を入国警備官等に通報した者があるときは、その通報に基いて退去強制令書が発付された場合に限り、法務大臣は、その通報者に対し、5万円以下の金額を報償金として交付することができる」と明記されています。額面としては「1千円以上5万円以下」と定められており、これがネット上で「一律5万円もらえる」と歪められて拡散された背景があります。
オーバーステイを通報した際の謝礼として設計されたこの仕組みは、捜査機関の手が回りにくい不法就労や地下潜伏の実態をあぶり出すため、昭和の時代に整備された歴史的経緯を持ちます。しかし、法条文が存在することと、実際に一般市民の口座へ金銭が振り込まれることの間には、極めて巨大な隔たりが存在しています。