多くの読者が誤認しがちな点として、「大型書店に行けば普通に立ち読みできるのではないか」という思い込みが挙げられます。
実際には、2015年の発売時に紀伊國屋書店や旭屋書店などの大手チェーンが配本・販売に関する慎重な対応を発表し、地方の中小書店では「仕入れそのものを行わない」「注文客への手渡しのみ」とする方針が相次ぎました。現在、実店舗の店頭に並ぶ場合でも、表紙全体がビニールフィルムで完全に密封(シュリンク包装)されているため、書店店頭での立ち読みは実質的に不可能です。
また、「コミックアプリやWebマガジンで一部が漫画化・無料公開されている」というネット上の噂も事実無根のデマです。事件をモチーフにしたフィクション作品と混同された情報が拡散されたものであり、手記そのものの無料コンテンツ化は一切行われていません。
【プロの結論】犯罪加害者手記をめぐる心理的リスクと読むべき人の判断基準
手記『絶歌』は、好奇心や暇つぶしで安易に触れるべき性格の書物ではありません。犯罪心理学や出版ジャーナリズムの観点から、本書の閲覧・購入に向いている人と、明確に読むのを避けるべき人の判断基準を提示します。
- 慎重に判断し、閲覧を避けるべき人:
- 凄惨な暴力描写や生命の毀損に関するテキストに対してトラウマや強いストレスを感じやすい人。
- 単なるゴシップや怖いもの見たさの好奇心で読もうとしている人(読後に強い後味の悪さや精神的動揺を残すリスクが高い)。
- 犯罪加害者による発信そのものに激しい倫理的嫌悪感を覚える人。
- 客観的・分析的視点で読む意義がある人:
- 重大少年事件における矯正教育のプロセスや、更生保護制度の限界・課題を研究する法学・社会学専攻者。
- 思春期の精神病理、解離性障害、歪んだ衝動の形成過程を追う臨床心理・精神医療関係者。
- 表現の自由と被害者保護(サムズ法のような収益規制法の議論)を考察するメディア関係者。