インターネットの検索窓に容疑者の名前を入力すると、「国籍」「韓国」といったサジェストワードが表示されることがあります。しかし、警察庁や大分県警が公開している指名手配情報および身元調査において、八田與一容疑者の国籍は日本であることが確認されています。外国籍であったり、通名を使用していたりする事実はありません。
では、なぜネット上で「八田與一は韓国籍ではないか」「外国にルーツがあるのではないか」という噂が急速に広まったのでしょうか。その背景には、主に3つの要因が絡み合っています。
第一に、歴史上の著名な土木技師である「八田與一(台湾・烏山頭ダムを建設した日本人技師)」と同姓同名である点です。歴史の教科書や海外関連のニュースでこの名を目にした記憶があるユーザーが、事件の報道を見た際に「海外にゆかりがある名前なのか」と混同し、ネット検索を繰り返したことで関連ワードとして浮上しました。
第二に、凶悪重大事件の容疑者が長期逃亡を続ける際、ネット掲示板やSNS上で「在日外国人ではないか」「犯人は日本人ではないはずだ」といった根拠のない偏見や決めつけが投稿されやすい傾向がある点です。確証のない書き込みがまとめサイトやSNSで拡散され、あたかも事実であるかのように誤認されていきました。
第三に、「すでに密航して海外(韓国や東南アジアなど)へ逃亡しているのではないか」という海外逃亡説の憶測が、いつの間にか「国籍が外国である」という話にすり替わって流布した点です。現時点で公式に発表されている身元情報は明白であり、八田容疑者は日本国籍の日本人です。