キャリアの決定打となったのが、中島哲也監督による映画『告白』である。我が子を失った中学校教師・森口悠子役で見せた冷徹な語り口と狂気は、観客の背筋を凍らせた。日本アカデミー賞協会主催の第34回日本アカデミー賞において最優秀主演女優賞に輝き、名実ともに邦画界の頂点へと君臨した瞬間だった。
華やかなビジュアルや過去の清純派イメージを自らの手で解体し、血の通った人間の暗部を生々しく提示する。この凄絶な演技を目撃した観客は、もはや彼女に安直なビジュアルの消費を求めなくなった。肉体を超えた表現力の凄みが、世間のステレオタイプを完全に凌駕したのである。