ブートレグ(Bootleg)の語源は、1920年代のアメリカ禁酒法時代にブーツの長靴に密造酒を隠して密輸していた「ブートレガー」に由来します。これが音楽業界において海賊盤レコードを指す言葉となり、ファッション界においては「公式ライセンスを持たずに独自製作された非公式アパレル」を意味する言葉として定着しました。
多くの消費者が疑問を抱くのが、「悪質な偽物(スーパーコピー)と何が違うのか」という点です。両者の決定的な違いは「消費者を騙す意図があるか」「独立したクリエイティビティやカルチャー的背景が存在するか」に集約されます。
悪質なコピー品は、公式のタグや包装まで精巧に模倣し、本物と偽って不当な利益を得ることを目的とします。一方、ストリートで評価されるブート服は、パロディであることが一目でわかる過剰なグラフィックコラージュや、サンプリング手法を用いたデザインが特徴です。1980年代のニューヨーク・ハーレムで、ハイブランドのモノグラムを独自に再構築してヒップホップ黎明期のラッパーたちを熱狂させた伝説の仕立て屋「ダッパー・ダン(Dapper Dan)」の功績は、ブートレグがひとつの表現形態として認められた象徴的な原点として知られています。