うどん業界において、サイズアップによる追加料金は長年の「常識」だった。大盛りにすれば100円増し、特盛なら200円増し。そんな固定概念を鮮やかに打ち砕いたのが、他ならぬこのサービスだ。1玉(約250g)から3玉(約750g)まで、どれを選んでも支払う金額は変わらない。腹ペコの学生から、サクッと済ませたいサラリーマンまで、あらゆる胃袋のニーズをひとつの価格設定で包み込む。
なぜこのような芸当が可能なのか。秘訣は、原材料費における小麦の比率と、オペレーションの単純化にある。うどんの原価において、実は麺そのもののコスト増よりも、調理にかかる人件費や配膳の手間、出汁のロスといった要素の方が大きなウェイトを占める。一注文あたりの麺量を柔軟に選ばせることで、顧客の「お得感」を最大化しつつ、リピート率と来店頻度を極限まで高める計算だ。結果として店舗全体の回転率が上がり、薄利多売の壁を越えた高い収益性を実現している。