HGの歩みを振り返る際、避けて通れないのが2009年のプロレス興行における大怪我です。ハッスルのリングで宙を舞った際、着地時に左足かかとを粉砕骨折。全治数年とも言われる重傷を負い、8カ月以上の入院生活と過酷なリハビリを余儀なくされました。芸人としての仕事は完全にストップし、退院後もかつてのように飛び跳ねる芸風は封印せざるを得なくなりました。
この最大の絶望期に、HGを支え続けたもう一人の重要人物が相方・レイザーラモンRG(出渕誠)です。コンビ結成当初は圧倒的なHG人気に隠れ、「じゃない方芸人」として苦汁をなめていたRGでしたが、HGの戦線離脱をきっかけに「あるあるネタ」や細川たかし氏などの徹底したモノマネでブレイク。コンビの知名度と活動の火を消すことなく灯し続けました。
HGの復帰後、二人は「THE MANZAI」などの賞レースに果敢に挑戦し、正統派漫才師としての実力を磨き直しました。学生プロレス時代からの盟友であるRGとの付かず離れずの信頼関係があったからこそ、HGは「芸人としての居場所」を失う恐怖から解放され、新たな表現であるアートの世界へ恐れずに飛び込むことができたと言えます。