カルダモンは、インド原産のショウガ科の多年草(学名:Elettaria cardamomum)の種子から作られる香辛料です。サフラン、バニラに次ぐ「世界で3番目に高価なスパイス」として知られ、その気品ある清涼感から古くより「スパイスの女王(Queen of Spices)」の異名で崇められてきました。
私たちが一般的に目にするのは、緑色の卵形をしたサヤに包まれたグリーンカルダモンです。草丈2〜4メートルにも及ぶ植物の根元近くに咲く花から実を結びますが、完全に熟す直前の最も香りが凝縮されたタイミングで、すべて手作業で一粒ずつ丁寧に収穫されます。この膨大な手間と限られた収穫量が、市場価値を押し上げる最大の要因となっています。
最大の特徴であるカルダモンの味と香りは、柑橘類を思わせるみずみずしい爽快感と、エキゾチックでほのかに甘いスパイシーさが同居した複雑な構造を持っています。主成分である1,8-シネオール(ユーカリプトール)が突き抜けるような清涼感を与え、酢酸テルペニルがエレガントな甘い花のようなノートを形成します。口に含むとわずかなほろ苦さと温かみのある刺激が広がり、肉や魚の生臭さを消し去るだけでなく、乳製品やスイーツに奥行きを与える万能の芳香特性を誇ります。