魚のように水中を泳ぐイルカが、なぜ牛や馬と同じ「頭」で数えられるのでしょうか。そこには日本語における助数詞の歴史と、動物のサイズの捉え方が関係しています。
日本語では古来、動物を数える際に「人間が抱きかかえられるかどうか」「人間より大きいか小さいか」という基準で助数詞を使い分けてきました。犬や猫、魚、昆虫など、人間が抱き上げられる比較的小さな生き物は「匹」を用います。これに対し、人間よりも体躯が大きく、抱きかかえられない大型動物は「頭」で数えるのが原則です。
イルカは愛らしい見た目から小柄に見えがちですが、代表的なハンドウイルカ(バンドウイルカ)でも体長2〜3メートル、体重200〜300キログラムに達します。人間が一人で抱きかかえることは到底できない大型の海洋哺乳類であるため、助数詞には「頭」が適用されるのです。
さらに明治時代以降、英語の「head(家畜の頭数を数える単位)」の直訳として近代的な統計や畜産現場で「頭」が定着したことも、大型哺乳類全般を「頭」で統一する流れを後押ししました。