大スケールのランドマークだけでなく、日常の街角に漂うディープな光と影も重慶の大きな魅力だ。有名になった「李子壩(リズバ)駅」では、夜になるとライトアップされたマンションの胴体をモノレールが滑り込んでいく不思議な光景を撮影できる。SNSで話題となったこの日常の風景も、夜にはSF映画の一幕のような独特の哀愁を帯びる。
また、第二次世界大戦中に掘られた複雑な地下防空壕ネットワークは、現在洗練されたクラフトビールバーやシークレットカフェ、さらには本格的な「防空壕火鍋店」へと生まれ変わっている。ネオン看板が湿ったコンクリート壁を照らす地下空間で、唐辛子と花椒が効いた激辛火鍋を突く。地上のアッパーな夜景と、地下のディープな熱気。この激しいギャップこそが、旅人の心を掴んで離さない。