民間企業で厳しいノルマや終わりの見えない残業に追われた人にとって、大学職員はまさに「避難所」のように映ります。営利を目的としない学校法人、学生が集まる明るいキャンパス、手厚い福利厚生。しかし、足を踏み入れた転職者が最初に突きつけられるのは、大学職員をやめとけと言われる理由の根幹をなす「仕事のやりがいの喪失」と「逃げ場のない閉塞感」です。
大手私立大学をわずか2年で去った30代の元職員は、自らの手記で当時の心境をこう吐露しています。
「毎日行うのは、昭和から続く分厚い規程集をなぞり、誰が見るかもわからない申請書に判子を押し続ける作業だけでした。改善案を出しても『前例がない』と一蹴される。外の世界で通用するスキルが1ミリも身についていないことに気づいた瞬間、背筋が凍るような恐怖に襲われました」
大学職員の実務の大半は、学生の未来を創るクリエイティブな業務ではなく、減点回避を最優先とする管理事務です。ミスをしないことが最大の美徳とされる文化の中では、民間で培ったスピード感や主体性はむしろ「組織を乱す異物」として排除されかねません。この圧倒的な退屈さと自己成長の停止が、大学職員転職の後悔を生む第1の罠となっています。