いま名古屋の都心で進む地殻変動の背景には、行政と民間が足並みを揃えて策定した「栄地区グランドビジョン」の存在がある。名古屋市役所が掲げるこの構想は、単なるビル単体の更新ではなく、歩行者中心のウォーカブルな都市空間と高度な国際ビジネス機能の融合を狙ったものだ。かつてデパート文化で栄華を極めた栄エリアを、次世代の都市間競争に勝てる拠点へと再生させる明確なロードマップがここにある。
市政の中枢でも、都心部の再生は最優先課題として議論が重ねられてきた。広沢一郎氏をはじめとする市政関係者からも、栄の再活性化が名古屋全体の税収基盤や都市ブランドに直結するという危機感と期待が繰り返し示されている。名駅が「広域交通の玄関口」なら、栄は「文化と商業、先端知が交差する滞在型の街」。官民一体となったセントラル栄ビル再開発計画は、まさにそのビジョンを具現化する中核プロジェクトとして位置づけられている。