『会心の一撃』を深く理解する上で欠かせないのが、収録アルバム『×と○と罪と』(2013年12月11日リリース)が制作された時代背景です。前作『絶体絶命』(2011年)のリリース直後に発生した東日本大震災を経て、RADWIMPSは生と死、人間の業という重層的なテーマと正面から向き合い続けていました。
当時のインタビュー記録によると、バンドは重厚なテーマ性を追求する一方で、ロックバンドとしてのプリミティブな肉体性と衝動を強く渇望していました。その混沌とした模索の果てに生み出されたのが、アルバムの4曲目に配置されたこのアッパーチューンです。BPM180を超える高速エモーショナル・ロックのドライブ感は、緻密な言葉遊びと哲学的な思索を重ねてきた野田洋次郎が、理屈を脱ぎ捨てて本能的な熱量を爆発させた結晶といえます。
当時の音楽雑誌のレビューにおいても、「これまでのラッドが持っていた内省的な毒を、外向きの巨大な破壊力へと昇華させた決定打」と絶賛されました。バンド結成20周年を越えた現在でも、当時の剥き出しの制作熱量は楽曲の中に一切色褪せることなく脈動しています。