コカ・コーラのマーケティングにおいて、最も過熱する二大シーズンが「夏」と「冬」です。それぞれの季節ごとに誕生した名曲の系譜は、リスナーの年中行事の記憶と強く結びついています。
太陽の光と海、そして冷えたボトルを連想させる「サマーソング」の歴史は、日本の夏ソングの歴史そのものです。2005年、女性ラップ&ボーカルデュオBENNIE Kがリリースした「Dreamland」は、カジノやリゾートを舞台にした華やかなCM映像とともに大ヒットを記録。同時期に放映されたDef Tech「My Way」は、公式アルバム発売前からCMで口コミが広がり、インディーズアーティストとして史上初のダブルミリオンを記録する原動力となりました。その後もRIP SLYME「熱帯夜」(2007年)や、Mrs. GREEN APPLE「Magic」(2026年)など、軽快なビートと突き抜ける爽快感を併せ持った名曲が夏を席巻し続けています。
一方で、冬の風物詩となっているのが「クリスマスCM曲」です。1990年代から世界中で放映されている赤いコカ・コーラトラック(ホリデートラック)のCMでは、洋楽の名曲Melanie Thornton(メラニー・ソーントン)「Wonderful Dream (Holidays Are Coming)」が長年にわたりホリデーシーズンの訪れを告げるアンセムとして愛されてきました。
日本国内において2010年代以降の冬の顔となったのが、AI「ハピネス」(2011年)です。「君が笑えば この世界中にもっと もっと 幸せが広がる」というシンプルかつ普遍的なメッセージは、東日本大震災の起きた2011年の冬に多くの人々の心を救い、コカ・コーラのウィンターキャンペーンソングとして複数年にわたってリバイバル起用される伝説的なロングヒット曲となりました。