東京株式市場において、ジャパンディスプレイ(JDI)の銘柄コード6740を凝視するトレーダーたちの表情は硬い。長期間にわたって1株数十円という超低位域で売買が交錯し、出来高だけが跳ね上がる光景は、典型的な投機銘柄のそれだ。
株価がここまで低迷した根本的な原因は、スマートフォン向け液晶パネル事業での中国・台湾勢との不毛な価格競争にある。主要顧客だった米アップルのiPhoneが有機ELへと舵を切った際、その転換の波に乗り遅れた代償はあまりにも大きかった。毎期のように計上される特別損失と最終赤字。株主価値の希薄化を伴う第三者割当増資の連発により、既存株主の失望感は極点に達した。
機関投資家の多くは「ファンダメンタルズが改善しない限り、ポートフォリオに組み入れることは不可能」と冷ややかだ。しかし、この「見捨てられた状態」こそが、個人投資家にとっては突発的な急騰劇を狙う格好の戦場となっているのも事実である。