ルパン三世を語る上で欠かせないのが、「普段見せている顔そのものが変装マスクである」という変装説です。この仮説は単なるファンの妄想ではなく、原作漫画の第一線で明確に提示されていた公式のプロットに端を発しています。
1967年に連載を開始した原作漫画『ルパン三世』(漫画アクション連載)の第1話「死刑囚」において、ルパンは刑務所の中で平然と「誰も俺の素顔を見たことがない」と語り、自らの顔をマスクのように剥ぎ取る素振りを見せます。原作者のモンキー・パンチ氏は生前のインタビューで「ルパンの本当の顔は描いている私にもわからない。誰も素顔を知らないからこそ、彼は世界一の泥棒なのだ」と語っており、キャラクター設計の根幹に「正体不明」というアイデンティティが組み込まれていました。
つまり、公式設定における厳然たる真実は、「おなじみの猿顔すら変装の可能性が極めて高く、特定の素顔はあらかじめ定義されていない」という点に集約されます。泥棒としてのリスク管理を徹底するルパンにとって、他人に素顔を晒すことは死を意味するため、普段のルードな表情さえも世間を欺く隠れ蓑に過ぎないのです。