竹脇無我の壮絶な半生を語る上で欠かせないのが、40代後半から始まった過酷なうつ病との闘いである。常に「完璧な二枚目」であり続けることを求められたプレッシャーと、芸能界という特殊な環境下での孤独。それらが重なり、彼は長年にわたって深刻な心の病に苛まれた。家庭内での苦悩や葛藤は決して小さくはなかった。
離婚や別居という家族の試練を経験しながらも、娘たちは父を見捨てることはなかった。病状が悪化し、失意の底にいた父に対して、娘たちは静かに寄り添い、再び前を向くための精神的な支柱となったのである。父が自身の病を公表し、執筆や講演を通じて同じ苦しみを持つ人々へメッセージを発信するに至った背景には、娘たちの理解と絶え間ない愛が存在していた。