事件当時、ネット上やテレビ番組のワイドショーでは「出演作品の配信停止やCDの回収は行き過ぎではないか」「作品そのものに罪はない」という議論が巻き起こりました。当時の状況を巡っては、現在でもいくつかの誤解が存在します。
多くの人が「すべての関係者がピエール瀧を切り捨てた」と考えがちですが、実際には現場のクリエイターたちの対応は分かれていました。前述の東映映画『麻雀放浪記2020』の白石和彌監督や東映幹部は、表現の自由と作品の独立性を守る立場から「ノーカット公開」を敢行し、映画ファンから強い支持を集めました。
また、電気グルーヴの音源やCDが一時期店頭から撤去され、デジタル配信が停止された際も、音楽ファンによる署名活動が展開され、約6万筆以上の配信再開を求める声が集まりました。この動きを受け、レコード会社側も最終的には配信を再開する運びとなり、「不祥事=過去作品の完全抹消」という過剰な自粛の慣習に一石を投じる大きな転換点となりました。