ネット上の一部では「Diggy-MO'はアニメタイアップに特化したラッパー」といった短絡的な見解が見られることもありますが、これは音楽史的な文脈を見落とした誤解です。
母体となったヒップホップユニットSOUL'd OUTは、2003年のメジャーデビュー以来、日本の音楽シーンに前例のない重厚なサウンドと卓越したテクニックを持ち込みました。2014年7月のラストライブをもってグループは惜しまれつつ解散しましたが、SOUL'd OUT 現在の評価はネットミーム的な消費にとどまらず、純粋な音楽的先進性において再評価の波が続いています。
『爆走夢歌』が発表された2008年当時、グループが一時的なソロ活動期間に入った際、Diggy-MO'が「自身の根源にあるロックやクラシック、ブラックミュージックの衝動を純度100%で表現する」という強い意思を持って世に問うたのが本作でした。単なるタイアップの請負仕事ではなく、アーティストとしての威信を賭けたマニフェストだったのです。