京都の茶文化の源流を辿ると、茶聖として知られる千利休が活躍した時代にまで行き着く。広大な抹茶や玉露の栽培で知られる宇治茶生産地(京都府)では、上質な一番茶や二番茶を摘み取った後、秋口に刈り取る大ぶりな葉を無駄にせず活用する文化が育まれてきた。
普段使いの庶民のお茶として、地域ごとに手づくりの技法が受け継がれ、独特の製法が確立された。茶葉を蒸した後に揉まずに乾燥させ、直火で香ばしく炒り上げる——この単純明快ながら誤魔化しのきかない工程こそが、力強い風味の骨格を作っている。質素を尊ぶ「わび・さび」の精神と、資源を大切に使い切る京都人の知恵が結実した究極の逸品と言える。