世界を魅了するキャラクターの出発点は、1974年にデザイナーの清水侑子氏によって描かれた小さなビニール製プチパースのスケッチだった。横を向いて座り、左耳に赤いリボンをつける構図は、シンプルでありながら計算し尽くされた視覚的インパクトを持っていた。ファンシーキャラクターイラストの歴史において、この削ぎ落とされた構成美は画期的な発明だったと言える。
表情を特定しない「口のないデザイン」は、見る者の感情を投影できる独特の余白を生み出した。悲しい時には悲しそうに、嬉しい時には共に喜んでいるように見える視覚効果だ。この哲学は半世紀が経過した現在も脈々と受け継がれており、世界のトップクリエイターたちがこぞってリスペクトを寄せる理由となっている。