統計データ上の数字と、市井の人々が抱える生活感の間にはどれほどの深淵が広がっているのでしょうか。大手ネット掲示板や知恵袋、SNSの投稿を丹念に追うと、数字の背後にある赤裸々な肉声が浮かび上がってきます。
「手取り22万円。家賃8万円、光熱費2万円、食費4万円、通信費や奨学金返済を払えば手元に残るのは3万円未満。これでどうやって将来に備えろというのか」(都内在住・27歳男性・IT企業)
「額面年収500万円と聞けば聞こえはいいが、税金と社会保険料で100万円以上引かれ、家族3人の生活費と教育費で毎月マイナス寸前。ボーナスでなんとか補填している自転車操業状態だ」(地方都市在住・41歳男性・メーカー勤務)
こうした叫びを裏付けるのが、金融広報中央委員会(知るぽると)による資産調査データです。公表データによれば、単身世帯における貯蓄額中央値はわずか100万円前後であり、単身者の約3割超が「金融資産非保有(貯蓄ゼロ)」と回答しています。二人以上世帯であっても中央値は約350万〜400万円に留まります。
厚生労働省の調査が示す世帯年収中央値は約540万円前後ですが、これは共働き世帯を合算した数値です。一見すると十分な金額に見える世帯年収であっても、物価高と重税感が重なる現代において、潤沢な資産形成を実現できている家庭はごく一握りに過ぎません。