建築物としての圧倒的な美しさと実用性を高次元で融合させた空間設計も見逃せない。大林組を筆頭とするゼネコン陣の緻密な施工技術と構造計算により、高い耐震性と快適な室内環境が実現されている。A棟、B棟、C棟、そしてホール棟がゆるやかなアールを描いて配置された配棟計画は、風の流れや自然光の採光まで徹底的に計算されたものだ。
また、要所に息づく木の温もりに満ちた意匠や環境調和のフィロソフィーには、建築家・隈研吾が得意とする自然素材と都市空間の融合アプローチを想起させる要素が巧みに取り入れられている。NTT都市開発をはじめとする事業者グループが追求した「人と環境に優しい都市空間」の思想は、2020年代半ばを過ぎた現代においても色あせるどころか、先見の明として高く評価されている。