停止線にまつわるトラブルを防ぐには、現場に存在する複数の「ライン」と「標識」の法的な効力差を整理しておく必要がある。特に近年、駅前ロータリーや生活道路で見かける「指導停止線」との違いは、多くのドライバーを混乱させている。
公安委員会の決定による法定の交通規制と、道路管理者が便宜上引いた法定外表示では、違反時のペナルティが根本から異なる。実態をまとめた比較データは以下のとおりだ。
長崎県警察が公表している交通規制資料でも解説されているように、道路標示には公安委員会の決定による「交通規制を伴うもの」と、安全と円滑を目的とした「法定外表示」が明確に区別されている。埼玉県さいたま市の大宮駅東口付近など、狭い駅前通りに引かれた破線の白線(指導停止線)は道路管理者がバスのスムーズな旋回のために設けたものであり、これを超えて停車しても即座に取り締まりの対象にはならない。
一方で、止まれ標識と停止線の位置がズレる理由に悩まされるケースもある。住宅街の路地などでは、標識が建物の陰で見落とされないよう手前の見えやすい位置に立てられ、実際の停止線は安全確認が可能な数メートル先(あるいは大型車が曲がれるようかなり手前)に引かれていることがある。この場合、従うべき停止位置は標識の柱ではなく「停止線の直前」だ。