館内に足を踏み入れると、外光を取り込んだ開放的なホワイエが広がる。設計を手がけたのは建築家の長谷川逸子氏。単なる巨大な箱モノではなく、周囲の自然環境や歴史ある公園とシームレスにつながる公共空間を目指して設計された。白を基調とした軽快なフレームワークと曲面の連続は、周囲の景観を遮断せず、むしろ街の風景を額縁のように切り取ってみせる。
日本の劇場建築は往々にして閉鎖的になりがちだが、ここは違う。川辺のテラスや回廊を歩くだけでも呼吸が深くなるような開放感がある。都市のインフラでありながら、訪れる人々の心身を解きほぐすオアシスとしても機能する稀有な空間だ。