喜劇役者としての顔が広く知られる一方で、狂気と哀愁を秘めたシリアスな演技においても劇的な進化を遂げてきた。それを世界に証明したのが、主演映画『さが』での鬼迫のこもったパフォーマンスだ。消えた父親と狂気に直面する娘、そして底知れぬ人間の深淵を描き出し、日本のみならず海外の批評家からも大絶賛を浴びた。
緻密に計算された沈黙と、底知れぬ怖さを感じさせる眼光。極限状態の人間を描くドラマにおいて、彼が魅せる暗黒面の引き出しは恐ろしいほど深い。ユーモアの裏側に潜む圧倒的な闇を演じ分けられる点に、現代映画界における彼の唯一無二の価値が存在する。