新型ヴォクシー(90系)のデザインが公開された瞬間、自動車ファンを中心に巻き起こった拒絶反応の正体は何だったのでしょうか。現場の取材やウェブ上の投稿を徹底分析すると、酷評の理由は明確に3つのポイントへ集約されます。
第1の理由は、フロントグリルの大半を占める巨大な開口部と「オラオラ顔」の先鋭化です。バンパーのほぼ全域に広がる立体的なメッシュグリルと、両サイドに配置された大型の薄型LEDクリアランスランプは、見る者に強烈な威圧感を与えます。ネット上では「ダイオウグソクムシのようだ」「プレデターを彷彿とさせる」「悪趣味な威嚇デザイン」といった辛辣な比喩が飛び交いました。先代(80系)の後期型もシャープな二段ヘッドライトで人気を博しましたが、90系はそのアグレッシブさを極限まで突き詰めた結果、一部の層にとって「下品」「悪目立ちする」と受け止められたのです。
第2の理由は、車両価格の上昇に対して「内装が安っぽい」と感じられる質感のギャップにあります。上位グレードのハイブリッドモデルにオプションを追加すると、乗り出し価格は400万円台半ばから500万円近くに達します。この価格帯でありながら、ドアトリムやダッシュボード下部に硬質なハードプラスチックが多用されている点に対し、試乗したユーザーから「商用バンに近いチープさがある」「価格と質感が釣り合っていない」という落胆の声が噴出しました。
第3の理由は、兄弟車である「新型ノア」の王道スタイルとの対比です。ノアが堂々とした正統派ミニバンの佇まいをキープしたのに対し、ヴォクシーはサイバー感とトゲのある前衛的な造形に全振りしました。この極端な二極化により、「ノアの上品さに比べてヴォクシーは奇をてらいすぎている」というネガティブなレッテルを貼られる要因となりました。