旅の大きな醍醐味である食においても、妥協はどこにも見当たらない。厨房で手腕を振るう料理長がこだわるのは、地元山形が育む季節の恵みを最高のアプローチで皿の上に表現することだ。中でも主役を張る最高級A5ランクの山形牛は、見事な霜降りと芳醇な肉汁が口の中でほどける圧巻の仕上がりである。
四季の移ろいを映し出す会席料理には、春の山菜、夏のさくらんぼ、秋の果実や厳選された米が惜しみなく使われる。地元の銘醸蔵が手がけた希少な地酒とのペアリングは、まさに感性を揺さぶる体験。食通たちがわざわざ遠方から新幹線に乗って訪れる理由も、このひと皿への情熱に触れれば自ずと理解できる。