東京23区内でも有数の面積を誇る水元公園。水辺と広大な樹林が広がるその景観は、都民にとって貴重な癒やしの空間である一方、夜間には特有の死角を生み出す地理的特性を抱えていた。
事件が起きた当時、園内の照明設備は現在ほど充実しておらず、夜間になると周囲は漆黒の闇に包まれる場所が点在していた。広い敷地と無数の散策路、そして水路に囲まれた環境は、犯人にとって身を隠しやすく、逃走ルートを確保しやすい条件が揃っていたと言わざるを得ない。初期捜査において現場の足跡や遺留品の採取が困難を極めた背景には、こうした広大すぎる地形と自然環境の影響が色濃く影を落としていた。