神楽坂における紀の善の歴史は、江戸時代の寿司屋としてのルーツにまで遡ります。戦後の1948年(昭和23年)に甘味処として本格的に創業して以来、神楽坂の花街文化や文豪たちの憩いの場として親しまれてきました。
特に1980年代に誕生した「抹茶ババロア」は、高級宇治抹茶を惜しみなく使用した鮮烈な苦味と濃厚な風味、北海道産小豆のふくよかな粒あん、そして甘みを抑えた上質な生クリームが見事な調和を生み出す唯一無二の逸品でした。乃木坂46の楽曲歌詞に登場したことでも知られ、若い世代からシニア層まで幅広いファン層を獲得しました。
甘味だけでなく、出汁の旨みが凝縮された「鳥釜飯」や「海老釜飯」、赤えんどう豆と手作り寒天の歯ごたえが際立つ「あんみつ」など、お持ち帰り(テイクアウト)需要でも圧倒的な支持を集めていました。